今回は受注1週間後のヒアリング工程について書いてこうと思います。
最も重要で、最も時間のかかる工程の1つといっても過言ではありません。
ヒアリングしなければならない項目はある程度決まっていますので、その項目ついて書いていけたらと思います。
目次
ヒアリングの項目
サイト制作にあたってヒアリングしなければならない項目は以下の通りです。
ペルソナ
ターゲットが決まっていないと、サイトの設計軸がぶれてしまいます。
では、どこまで作り込むのかというと案件によりけりなのですが、可能な限り詳細にペルソナを作り込んだ方がいいと言えます。
理由は、ターゲット層だけで絞ってしまうと主観が入りやすく、狙った層に対する適切なアプローチができなくなる可能性があるからです。
例えば、同じジムが良いを目的にしている20代でも「マッチョになりたい」人と「健康のために通いたい」と考えている人では利用目的が大きく異なります。
そのため、サイト制作の目的がどんな趣味思考の持ち主に対して、どのようなタイミングでサイトを眺めて、どのようなタイミングでジム通いを決定するのかというところを作り込む必要があるのです。
その適切な流れを組み込むためにも、ペルソナの設計は重要になります。
なるべく細かく、ペルソナについて考え情報がどのようにその人の手元に届くのかについて考えてみることが重要です。
店舗数
ここもとても重要なポイントです。
なぜなら、店舗数が把握できていないと、サイト制作の時にトラブルになる可能性があるためです。
店舗数もサイトのページに入ってくるとなると、多角的に事業展開している企業の場合膨大な量のページが必要になってきます。
その料金を考慮せずに設計を進めると、後になって店舗情報もサイトに盛り込むとなった際にトラブルに発展してしまうのです。
ここもヒアリングの段階でしっかり確認しておくようにしましょう!
事業内容
ここがヒアリングの根幹になってくるといっても過言ではありません。
なぜなら事業者の個性が最も出るポイントであり、差別化のポイントになるからです。
事業の背景を知ることで、現在の業態になっている理由を知ることができます。
また、これまで違った事業をしていたとしても、そのバックボーンがあるからその強みを活かした事業展開ができている可能性もあります。
これまでの経歴を掘り下げていき、どこが競合他社との差別化のポイントになっているのかという点をヒアリングすることで、完成度の高いサイト制作が可能になります。
また、会社の理念やこだわりからデザイン制作のアイデアが湧いてきたり、どんな人に向けて発信するべきなのか、潜在顧客へのアプローチ方法など今後の事業戦略を練る上でも非常に重要な項目と言えます。
クライアントとの信頼関係の構築においても、事業内容に踏み込んでヒアリングをすることは重要であり、最も重要性の高い項目と言えます。
先方の事業理解を深め、適切なコンサルティングができるようにヒアリングしていきましょう。
競合サイト・商圏
競合分析等の際に重要になってきます。
競合他社がどのようにアプローチしているのか、どのように強みを押し出して差別化しているのかを知ることで、具体的な戦略に落とし込むことが可能になります。
また、商圏はその企業へのアクセス方法を示すことでユーザーのアプローチ方法について試行の手間を省くことができ集客につながりやすくなります。
競合他社の情報を最低でも2~4程度用意しておき、それぞれ似たようなサービスでもどこが違うのかを分析することで、競合優位に立つサイト設計が可能になります。
サイト制作目的
めちゃくちゃ重要です。
ここの軸がブレると信頼問題に関わります。
というのも、サイト制作の目的によって情報設計の仕方やデザイン、要件まで全て変わってきてしまうからです。
「ただなんとなく見栄えが良くないから、かっこいいサイトにしてほしい」というクライアントさんもん中にはいますが、基本的にはこの方法でリニューアルを実施すると失敗に終わることが多いです。
サイト制作の「ゴール」を明確にすることで、その目的を達成するための動線設計などが可能になります。
顧客に対してヒアリングするだけではなく、自分からも積極的に提案することで信頼関係が構築できるようになりますので、サイトの利用例などはさ最低限押さえておくようにしましょう!
参考サイトについて
事前ヒアリングの段階で、先方が参考サイト例を用意してくれる場合があります。
そこで、用意してくれたデザインを見てただ「なるほど」と思うのではなく、より踏み込んだところまでヒアリングしましょう!
例えば、
- デザインのどこがいいと思ったのか
- 余白なのか、フォントなのか、トンマナなのか
- 情報設計の部分なのか
- お問い合わせの項目だったのか
- 見た目だけ刺さったのか
- CTAの見栄えだったのか
など、細かくヒアリングしていくことで先方が大事にしているポイントが見えてくるようになってきます。
参考サイトも見た目の部分だけではなく、どこがいいとおもたのかをヒアリングして共通認識を作るようにしていきましょう!
進行方向の合意形成
進行方向について、どのように進行すればスムーズかという認識合わせが必要です。
大企業の場合、担当者と決済権者が別という場合もあります。
その場合、担当者と決裁権者で認識がずれてしまうと、全てやり直しといった可能性もゼロではありません。
「普段の窓口担当の人」と「最終決定者」が誰なのかを把握しておき、進行において重要な項目の確認を行う際には決裁権者が同席できるタイミングで行えるように準備しておきましょう。
素材の有無の確認
素材があればこのヒアリングのタイミングで回収してしまいます。
素材が存在しない場合には、撮影に必要な日数と人員について正確に把握しておかなければなりません。
ここはワイヤーフレームがある程度整ってきてから先方に切り出していくようにし、スケジュールを早めに押さえていくことが重要になってきます。
撮影は想像以上に時間を取られる業務です。
素材がない場合には、ある程度日数を抑えられるタイミングを先に押さえておくことも重要と言えます。
ヒアリング後に確認すること
今後の流れについて共通認識を作る
制作の進行方向について共通認識をとっておきましょう!
今後の流れを先方が把握しておくことで、案件が進んでいるという認識が持てますし、今後何をすればいいのか透明性を保った状態で進められるのでお互い安心感を持って案件の制作に取り組めます。
10ページ程度のサイトであれば、余裕を持って3~4ヶ月程度を見ておくといいでしょう。
修正回数について確認を行う
修正回数についての取り決めがないと、デザインを制作するたびに修正が入ってしまうことがあります。
修正回数が増えるとその分工数が増えてしまうため、サイトの公開日がどんどん後ろにずれていってしまうのです。
そうすると納期に間に合わないリスクもあるし、サイト設計の目的がぶれ始めてしまい、目的を達成できないサイトになってしまう可能性が出てきます。
そのため、サイト設計の目的について合意形成ができたらその目的からブレるような要求については受け付けないことも重要です。
クオリティアップのためや、修正が絶対にNGというわけではないのですが、先方にも気を引き締めて取り組んでもらうという意味でも、修正回数の共通認識を必ずとり、契約書にも記載しておくとベストです!
打ち合わせ後のメールを作成する
ここまでできたら、打ち合わせした内容を抜け漏れの内容にメールを作成し、先方に連絡を入れます。
ヒアリングした内容を持ち帰り、その内容をもとにメールを作成していきます。
こちらで要件を確認できたら、その内容をさらに深ぼっていくフェーズに移っていきます。
まとめ
今回はこんな感じになります!
ディレクションは受注後に最も重要な「サービス提供」の要となってきます。
ディレクターはやることが多く大変ですが、ビジネスへの理解も深まるので非常にやりがいのある仕事といえます。
経験を積むことで要領もだんだんとわかってくるので、恐れずに挑戦していきましょう!
次回の更新もお楽しみに!